Horseshoe Roundup

NFLチームのインディアナポリス コルツを応援するブログです。

2022年のコルツとは何だったのか(QB)

WEEK18を終えて迎えたGM Chris Ballardの記者会見、冒頭の一言。

"Look, I failed.”

全く笑えない自虐ネタである。
自虐でしっかり笑いを取ったTKOの記者会見を見習ってほしい。
しかし今シーズンのチーム作りが悉く失敗したのは事実。
その象徴がこのポジション。

QB
Matt Ryan(12GS) 309/461 3,057yds 14TD 13INT 15FMB 38sack
Sam Ehlinger(3GS) 64/101 573yds 3TD 3INT 2FMB 14sack
Nick Foles(2GS) 25/42 224yds 0TD 4INT 8sack
参考までに21年シーズンのCarson Wentzのスタッツも併記しておく。 
Carson Wentz(17GS) 322/516 3563yds 27TD 7INT 8FMB 32sack

チームとしては平均パス獲得5.7yds(リーグ31位)、1試合当たりスコア17点(リーグ31位)であった。
4,000yds投げられる元MVPがチームにいる!という興奮は開幕前が最高潮で、その昂りはゲームを重ねるごとに薄れていった。
もちろんお漏らしを繰り返すOLのもとでプレーすることになったRyanには申し訳ない気持ちはある。
本人的にも聞いてた話と違うという思いはあるだろう。
しかし言わせてもらいたい。
ATLに掴まされた、と。

そもそも昨シーズンオフにATLがDW4獲得を狙ったことからQBドミノが始まったわけだが、いまとなってはまあそれも頷ける状態であった。
向こうさんも劣化具合を認識していたからこその一連の動きだったのだろう。
特に肩は全盛期のそれとは程遠い。
もちろんWR陣の力量も影響しているとは思うが1キャッチ当たりのAiryardsはここ5年で最低(5.3yds 近年最高値は20年の7.2yds)と奥が狙えなくなっている模様。

事実、20年は20yds以上のパスが1試合当たり3.6本あったのに対して今シーズンは2.5本まで下がっている。
付け加えると40yds以上のパス成功は20年8本、22年2本である。

ちなみに、チームの総獲得パスヤードの内47.8%がRACで稼いだものらしい。
似たようなチーム(PHI)での平均のパスターゲット到達ヤード(LOSから捕球者までの距離)は9.1ydsなのだがコルツの場合は7.0yds(リーグ31位)。
これは総獲得の50%以上がYACのチーム(NYG/LAC/ARZ/SF)とほぼ同等の数字らしく、何が言いたいかというと奥を狙うコンセプトのオフェンスを展開しているにも関わらず、結果は全く期待外れであったということである。
ここはOLが崩壊しパスプロが持たないことも影響しているので全てが本人の責任とは言わないが、似たような境遇にあった前年のWentzがマシに見える結果を擁護することはできない。

今シーズン4勝の内、全てが彼による4Qのカムバックウィンだったことから勝負強さやリーダーシップといった無形の強みは健在なのだろう。
ただしハイパーオフェンスのチームとの殴り合いに勝つことが求められるAFCでは彼のスキルセットはやや物足りなくなっているのかもしれない。

Ryanとの契約内容は23年キャップヒット約35M、デッドマネーは18Mなのでカットすることで17Mほどのキャップセーブとなる。
ドラフトでQBを指名する場合の育成役兼つなぎの先発として残す選択肢もゼロでは無いがリリースすることが本人にとっても良いのかなと思う。
とはいえドラフトでのQB指名も確定ということはなく、コルツのQBルームの状況はいまだ不透明。
成績には言及しないが他2名も同様。
まあFolesは確実にいなくなるか。
EhlingerはOC次第では様子を見ても良いかというところ。
新体制が固まるまでしばらくはこのまま静観である。

2018年以降、毎年WEEK1のQBが違うことを弄られており、進行中のHC探しにも密接に関わるであろうこのポジション。
とにかく期的な解決策を見出してほしい。